【桜の香り】クマリン

匂いの化学

桜の咲く季節が近づいてきました

桜餅や桜フレイバーのラテ

桜の香りを感じることも多いですね

桜の花って香りあったかしら?

ふと疑問に思ったことありませんか?

おーけむ
おーけむ

実は、”桜の香り”の正体はクマリンという成分なんです

結論

桜の香りは、クマリン

桜の花や葉を乾燥させたり、塩漬けにすると現れます

桜の香りの正体 クマリン

桜の香りは、クマリンです

あの甘い香りと、ちょっとした苦みを生む化合物

桜餅や、桜パウダーの香りのもとです

クマリンの発生

生の桜の花や、葉っぱを嗅いでも、いわゆる桜の香りってほとんど感じませんね

それは、クマリンそのものが桜に含まれているわけではないためです

桜の細胞中では、クマリン酸が作られ、配糖体の形で保管されています

乾燥や塩蔵などで細胞が破壊されると、外にでてきます

外にある酵素によって加水分解をされて、クマリン酸に戻り、

閉環反応を経て、クマリンとなります

つまり、桜餅のしょっぱい桜の葉や、塩漬け桜、

乾燥した桜パウダーになって初めて、あの良い香りが発生するのですね

なぜ桜はこんな成分をもっているのか

雑草を抑制する効果、アレロパシーを持つためです

雨水などで土壌に流れ出したクマリンは、周囲の雑草の成長を抑制します

桜って意外な生存戦略を持っていますね

人工合成

クマリンは、人工的にも合成されています

1876年にパーキンが、サリチルアルデヒドと無水酢酸から合成に成功しました(パーキン反応)

Z-オレフィンが生成する反応機構が面白いのですが、それはまたの機会に

人工的に合成されたクマリンは、香料や医薬品の原料として使用されています

面白い使い道として、軽油識別剤があります

軽油引取税の脱税防止のため、灯油に1ppm加えられています

これは、クマリンがブラックライトで光る性質(蛍光)を持つので、

不正に軽油に灯油を混ぜても、簡単に識別できるためです

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